隠れた瑕疵 - 隠れたかし

殺人事件の有った土地の売買

買った土地に以前は家が建っておりました。 その家を取り壊したのが約5年ほど前だそうです。
その土地を私たち夫婦が購入をしました。 そして、そこに家を建てました。 住みだして、しばらくして近所とのお付き合いも始まりました。
親しくお付き合いをするするようになったご近所の方から、私たちの買った土地で以前、殺人事件が有ってお婆さんが殺されたとのことでした。

この土地を仲介をた不動産業者に行き問い詰めました。
業者いわく、確かに殺人は有ったようですが、その事件の有った建物は5年ほど前に取り壊し、更地にしたので法的には何ら問題は無いし、事件の有った 建物は存在しないので特に説明は必要とは思わないという主張でした。

この回答に納得が出来なかったので、弁護士さんに相談しました。



民法570条本文・566条

5年前の殺人事件は、隠れた瑕疵(かし)になります。

売買の目的不動産に隠れた瑕疵(かし)が有った場合には、損害賠償請求または、契約の解除をすることが民法570条本文・566条に定められて おります。

2006年12月19日に大阪高等裁判所の判例:
地続きの土地2区画を購入した方がおりました。 その2区画の内1区画の土地に以前存在していた建物で殺人事件が起きていたことを購入後に知って 裁判になりました。

この殺人事件は約9年まえであり、しかも土地の売買契約時においては、その建物は取り壊されており存在はしませんでした。
しかし、大阪高裁は、『かつて殺人事件が有った事が隠された瑕疵に該当するものと判断し、買い主は売り主に対し、これに基づく損害賠償を請求し得る ものというべきである』と判断を下しております。
この件に関する詳細は長文になるので、大阪高裁の資料を参照してください。
大阪高等裁判所のウエブページ


売り主の瑕疵担保責任
その不動産そのものに瑕疵(欠陥)が有るか無いかではなく、契約内容と一致しているかどうかということがポイントです。

ご例えば、担保が付いている不動産でも、担保が付いたまま買い主が納得して購入るなら、それは瑕疵担保ではなく、契約通りであり、建物に 破損した部分があっても、それを買い主が了承して契約したなら、瑕疵担保にはなりません。

また、売主が瑕疵担保責任を負いません。 買い主がそれでもいいですよ(瑕疵担保免責)と取り決めたら、契約内容と相違する点が後から出てきても、 売主に瑕疵担保の責任は有りません。

しかし、売主が施行業者や不動産業者、または建築会社なら、瑕疵担保免責の特約は無効です。
また、後から契約内容に相違する点が出てきても大丈夫なように事前に調べたり説明するのは不動産業者の責任となります。




宅地建物取引業法

宅建業法47条では業務に関する禁止事項を定めており、違反した宅建業者には刑事罰も科せられる。 故意に事実を説明しなかった場合は 免許取り消し等の行政処分となる他、一年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科される。

【 業務に関する禁止事項 】
第四十七条
宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
二 不当に高額の報酬を要求する行為
三 手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為
第八十条
第四十七条の規定に違反して同条第一号又は第二号に掲げる行為をした者は、一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。